最近はと言うか、ここ20年位の間に特に多い印象があるのが、異世界転生と言うタイトルが付いている小説が多い事です。
それ以前は、2000年代初頭や1990年代に刊行されている小説には、特に異世界に転生するような話は無かったか少なかったと思われます。
異世界に転生はしないけど、異世界のどこかのファンタジーな世界の話はたくさんありましたが、今のこの世界で生活している主人公が異世界に行くとか召喚されると言った話は、少しはあった気がします。
とにかく今は何故かこの現世で、何らかの原因で死を迎えた主人公が目覚めると、異世界に転生していて第二の人生を送り始める所から物語が始まる話が、もの凄く多いのです。
その背景にあるのは、多分に漏れず今の人生に満足していない人が多いと言う背景があると思います。
働いても働いても賃金は上がらず、家賃は高石光熱費もかなり値上げしているし、今年は更にガソリン代は高いし灯油も高いから暖房費を削ってみたりして、とにかく生活するのが厳しくて仕方が無い世の中になって来ているのです。
そんな世界に絶望して、自分の脳内の世界だけでも異世界で楽しく暮らす話を想像して小説を書いていると言う人が今、かなり増えていると考えると、現世のこの世界は修羅の道かな?と思わずに居られません。
段々と悲しい気持ちになって来てしまう人も多いですが、異世界で転生して暮らしている話を書いている間は楽しい気持ちになれますし、何よりその小説を小説投稿サイトなどに投稿して多くの人に楽しんでもらえたりして行った先で、人気が出て作品が書籍化すると言う夢のような状況になる場合もあるのです。
この世界に絶望している気持ちが原動力になって作品を書いている人もいますが、ただ単に今の流行に乗って異世界に転生した設定にした方が面白いかも知れないと思って書いている人もいるので、異世界転生している主人公の話が出来上がるまでの作者の心情は、誰もが絶望している訳ではないと言う事だけは理解して欲しいですね。
多分ここ数年の新作や人気の作品の多くは、流行に便乗して書かれた作品の方が多いと思います。
他にも、悪虐令嬢と言った、極悪非道の塊みたいな性格の姫の様なキャラを主人公にしている作品も多いのですが、主人公を極悪非道にする事で得られるものは一体何だろう?と思う人も居る事でしょう。
そんな悪そうな人が主人公になったりしたら、周囲の登場人物の方に同乗してしまいそうだと思うの当然だと感じやすいですが実際は、主人公は完全に悪に染まっていないとか、悪に染まったふりをしていなければならない理由があったりするので、結構このジャンルも意外とと言うか、かなり人気のジャンルになっている様です。
と言う感じで、何年前までは人気になるとは思えなかったジャンルが今では大人気になっていたりするので、時代は移り変わって行っているし人の好みもめまぐるしい速度で変わっている事を実感すると思います。